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その瞳に…
第37章 日常の中の非日常
 「おはよう舞奈ちゃん。これ」

 そう言う早百合の手には、舞奈の服が綺麗に畳まれ収められている。

 「汚れてしまったから、洗濯しておいたの」

 「えっ!?あ、すみません。ありがとうございます」

 舞奈は早百合から自分の服を受け取り、ぺこぺこと何度も頭を下げお礼する。

 「良いのよ、気にしないで。それ着て、取りあえずシャワー浴びてきたら。頭が凄い事になってるわよ」

 「へ?あっわっ!!」

 舞奈は早百合に指摘され、反射的に開いてる手で頭を確認してしまい、体に巻いていた布団がバサリと床に落ち、恥ずかしさでその場にしゃがみこむ。

 「その調子なら、体の疲れは取れたみたいね」

 早百合はクスクスと微笑むのを見つめながら、舞奈がいそいそと布団を再度体に巻き、体を隠す。

 「・・・あの、早百合さん」

 舞奈がしゃがみこんだまま早百合を見上げると、なあに?と早百合も舞奈の視線に合わせてしゃがみこむ。

 「・・・先生と、成滝さんてリビング、なんですよね・・・?」

 このボサボサの状態で二人に会うのが気まずい舞奈は、二人の居場所を確認すると、早百合は何を思ったのか。

 「英樹の顔見たくないのだったら、奥に引っ込めておくけれど?」

 と、にっこりと微笑みながら答えた。

 「いえ!あの・・・ボサボサな頭見られたくなくて・・・」

 なんとなく自分の意見と、早百合の意見がかみ合っていない事に気がついた舞奈は、はっきりと気持ちを言葉にする。

 昨夜の気まずさがあり、確かに二人の顔をまともに見れるか解らないのもあるが、と舞奈は心の中で呟いた。

 「ああ。そうよね、寝起きってなるべく見られたくないものね」

 
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