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その瞳に…
第38章 冬休み
 「楽しかった~~~~!!!」

 夕方から友人達と合流し、夜の10時までカラオケで騒いだ舞奈達はその余韻を残したテンションのまま、電車組と徒歩組みにわかれた。

 電車組といっても舞奈と絵麻の二人と、駅の近くに住んでいる美和意外は別方向の為、舞奈達は三人で駅までの道のりをテンション高く帰る。

 「まじ、歌いすぎて喉痛い~」

 「あんた叫びすぎw」

 何時も以上に騒ぎながらイルミネーションで彩られた駅までの道のりを、まだ離れがたくゆっくりと歩く。

 「いい加減私の話ちゃんと聞いてよ!?」

 「わっ!?」

 突然わき道から女性の怒りの声が聞こえ、舞奈達は驚きで声がした方を一斉に向く。

 そこには二名の男女が争っている姿があった。

 大通りとは違い、わき道にイルミネーションは無く、男性の方は舞奈達に向かって背を向けているため、先ほど叫んだであろう女性の顔がうっすらとしか確認できないが、相当怒りに満ちているのがわかる。

 「修羅場?」

 「だよねぇ・・・」

 美和がとてもワクワクした声で女性達に聞こえない声で言うと、絵麻もめんどくさそうに同意する。

 「取りあえず、気にしないで行こうか。先生達見回りしてるって情報あるし」

 「え~」

 修羅場が大好物な美和が不満そうな声をあげるが、舞奈と絵麻はそれを無視し、美和の腕を引っ張った。

 しかし、次に聞こえた声に、舞奈の動きは一瞬にして固まる。

 「ちゃんと聞いている。けれど、僕にはもう関係の無い話だ」

 「・・・っ!?」

 その声は舞奈にとっては聞き間違えるはずも聞き漏らすはずも無い、大河の声だった。

 「舞奈?」

 動きが止まった舞奈を不審に思った絵麻が、舞奈に声を掛けた瞬間、舞奈はわき道に生えている木の影に隠れながらもう一度人影を確認する。

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