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その瞳に…
第8章 日常
一歩玄関に足を踏み入れた時、舞奈はホテルでの大河を思いだした。


ホテルから出る時、大河に家の近くまで送ると言われた。
舞奈は啓介のメールを思いだし、大河にそれを伝える。

その瞬間、大河は舞奈の手首をつかみ、壁におしつけられ、怒気が混じった大河に見つめられる。

(先生、怒ってる…?)

掴まれた手首の痛みと、大河の怒りに舞奈は困惑したが、その理由をすぐに知る。

『君は、従兄弟でとはいえ、男性の家に簡単に上がるのか?』

(先生。…もしかして、焼きもちやいてる…?)

舞奈はすぐに、啓介は妹と暮らしている事を伝え誤解を解いた。

『そうか…』

ふいっと、大河は手を離し舞奈に背を向ける。
舞奈はその時、大河の頬が少し赤らんでいるのを見た。

(やっぱり、焼きもち妬いてくれてる)

舞奈は嬉しさのあまり、後ろから大河に抱きついた。

『先生、大好き』

ぎゅーっと力一杯抱き締める。

(あれ?そう言えば…)

舞奈はふと気がつく。

『先生。私まだ先生の気持ち聞いてない』

ギシっと大河の体が一瞬固まった様に感じたが、舞奈は構わず続けた。

『あの…奴隷に、なれとは言われたけど…恋人にはなれないんですか?』

ドキドキしながら、舞奈は抱きついたまま問いかける。
大河は舞奈の手をとり、クルリと自分の前に回す。

『僕の気持ちを知りたいのかい?』

コクンと舞奈は頷く。

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