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その瞳に…
第9章 いつもの学校
「じゃ、舞奈。あたし今日バイトだから先帰るね~」

「うん。また明日ね~」

HRが終わり、バイトの為先に帰る絵麻を見送り、舞奈はため息をついた。

(今日だけでこんな疲れるなんて、これから化学の授業持つのかな…)

今までで一番、体力と気力を使った授業。

そもそも、大河に対する気持ちが顔に出ていないかも、舞奈は心配する。

周りに悟られてはいけない――

気を引き締めないと、と再度心に強く思い、舞奈は帰宅準備を始めた。

ヴ、ヴー

「?」

カバンにしまってあるスマホが小さく震動する音が聞こえ、舞奈はスマホを取り出す。

送信者は大河からだった。

「!?」

舞奈は急いで教室を出て、トイレに駆け込む。

舞奈はトイレの個室に入り、ドキドキしながらスマホを開く。

『すでに学校は出ていますか?
まだ残っているようなら、帰宅するように。

学校であまり二人きりになると、怪しまれてしまう ので、部活のない日は普通に帰るように』

大河からの呼び出しかと期待をしながら見た分、その文章に舞奈は落胆した。

つい先ほど気を引き締めないと、と思ったはずだが、やはりあまり一緒にいられないのは寂しい。

『今から帰るところです。

先生また明日!』

舞奈は大河に返信し、

(帰ろ…)

と、心の中で呟き、帰路についた。
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