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優しい彼の悪魔の顔
第9章 視線
ミコはその日から、ゆっくりと眠れるようになった。

体が疼けば、自然と指が動く。
自分で自分の体を慰める。
どこをどう触れば、一番気持ちよくなれるかもわかってきた。


ミコは必ず、リョーの名前を呼ぶ。

リョーのあの冷たい笑顔。

いやらしい言葉たち。

電話で教えられた、指の使い方。


全てが、ミコの一人遊びの相手となる。







けれど、その行為を終えたとたんに訪れる、虚しいまでの後悔。

また、しちゃった…。

体の動悸がおさまり、静けさが部屋を包む頃、ミコは初めて知った自分の貪欲さに、全てを忘れたくなる。




こんな恥ずかしいこと、私、リョーに…。







なぜ、あの電話の時に素直に言われるがままに、あのようなことをしたのか。


リョーはミコが自ら達したのを確かめると、優しく褒めた。

そして、また連絡するね、と電話を切った。


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