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元セフレの上司が帰ってきた
第2章 切り離せない過去
(あっ…忘れてた…)

「さゆりちゃん?」

田坂先輩だった

「こんばんは。お電話くださってたのに、ごめんなさい」

「大丈夫?風邪?」

「そうなんです。本当、ごめんなさい」

「病院行ったの?良かったら、俺、連れてくから、遠慮しないで言ってね」

「ありがとうございます。大丈夫です」

「心配だな…」

「本当ごめんなさい。また、治ったら連絡しますね」

「うん。体調悪いのに電話でてくれて
ありがとう。また、電話するね」

「はい。ありがとうございます」

電話を切ると、罪悪感でいっぱいになり
どんよりした気持ちが増して、家までの道のりが、遠く感じた。

(あ~あ。何やってんだろ。)

仕事をサボるなんて社会人として失格で
過去の性欲人生のツケが押し寄せてる感覚にも
不快感で目の前が闇にみえていた

マンションのエレベーターに乗ると、何階の方かも
わからない住人と軽く会釈をし、降りる時も
また、同様の動作で、時々、それが孤独感を増す原因にさえ思える

家の鍵がポッケの糸屑に絡んで、とりだせない

(あ~もうっ…)

糸屑がほつれていく感触に集中しながら、ドアの前で、最後の糸を取っていた

(よしっ!………え?誰?この子?)

ドアの前でランドセルを背負った女の子が
体育座りをして、キョトンとしている

「どうしたの?お家、どこ?」

「……ショウくんは?」

「ん?ショウ…くん?」

女の子が泣きそうな顔で立ち上がる

「ショウくんの家にきたの?」

「…うん。」

(ショウくん…って誰よ…マンションの人、誰も知らないし…どうしよう…)

「ショウくんの住所か電話番号わかる?」

「ここ、ショウくんの家じゃないの?」

さっきよりも、涙目になって私の家を指している

「うんと…ここは、おねぇちゃんの家でね。ショウくんの家は……えっと…」

(どうしよう…)

「おねぇちゃんの名前は…さゆりって、言うんだけど…えっと…何ちゃんかな?」

「ゆあ。」

「ゆあちゃん。かわいいお名前だね。ゆあちゃんは…ショウくんの上のお名前わかるかな? 何…ショウくんかな?」

「たかせ…たかせ…ショウ!!」

「たかせさんね。ショウくんて、もしかして、大学生かな?髪が茶色くて…背が高い?」

「うん!!」

女の子が目をキラキラし始めた

(隣の大学生かな?)
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