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want to be ...【短編集】
第2章 ペアルック





「蒼汰ぁ」


「…あ?」


「これほしい〜」


ソファに寝転がり音楽雑誌を読んでる蒼汰の体に跨がり、スマホを目の前に突き付ける。


「…近い。見えんわ」


さっき起きたばかりだからかちょっとピリピリしてるな。


体を起こしてあたしからスマホを取り上げた蒼汰は、目を細めて画面を見つめ、口角を上げた。


「やだ。いらない。
そこら辺にいる感じのと一緒にされたくない」


「…は?」


どういう事!?


「意味分かんないんですけど…」


「こんなん誰でもやってそうじゃん。
てか同じ服買うとか、俺はやだね」


「何で!いいじゃん、楽しそうだしっ」


「だってこんなんさ、俺達ラブラブですよーっての
周りにアピールしたいだけだろ?何かキモい…やだ」


アピールしたいよ!


やっと恋人同士になれたんだから、恋人同士らしい事したい!


…けど、キモいって言われるとは思わなかったな…


「…分かった。変な事言ってごめ…」


「こういう事すんならさ、
もっとおしゃれにやりたくない?」


「…」


…へ?


音楽雑誌から顔を上げた蒼汰がそう言って笑う。


ぽかんとしてると。


「こんな全部一緒なんじゃなくて、
よく見たら一緒だなーみたいな。
小物とかはお揃いでいいかもしれないけど」


こいつ絶対気付いてねぇな、俺が買ってきた杏奈の水着、凄ぇ分かりにくいけど俺のとお揃いだって事。


まあいいや。


「…いいの?お揃いしても」


「いんじゃね。つかお前から言ってきたんだろ」


だって。


蒼汰、そういうのやる感じしないし。


「俺、ペアルックのもの売ってる店知ってるけど。
今から行く?」


「…!行くっ」


わーい!蒼汰とお出かけだ!


最近買ったスカート穿いていこー!


「…んじゃ、下りて。いい加減重い」


「…あっ」


蒼汰の上乗ったままだった。


「下りないなら襲うけど?」


「ぇ…っ」


慌てて下りようとすると、腕を掴まれる。


気付いたらソファに押し倒されてて、唇を塞がれた。


「ん、あ…っ」


いつもより深くて激しいキスにクラクラになる。


「や、蒼っ…ん」


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