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運命という名の恋
第4章 出
「言ってくれれば、お店をきちんと予約したのに」
そう言って、
ほら。この前、外食営業の横手のところに
有名なレストランのオーナーが迎えに来ただろ。
横手は同期なんだよ。
と、きっと共通の話題だろうと持ち出した。

「柳下さんはそのレストランに行ったことがあるんですか?」
と聞かれたので
「いや。ない。だから一緒に行こうと思ったんだ」
というと、くすくす笑って
「今度一緒に行きたいですね」と言った。

あ。そうだ。
と、数週間前に山口に言われて予約をしたストラップを
昨日出来たと渡されたんだ。

「これ。ごめん。誕生日プレゼントにはならないけど」
と、きれいにラッピングされている、そのストラップを渡せば
ビックリして嬉しそうに開けてさらにビックリしたようで。

「あ。これ広報部が販売するやつですよね」
「そう」
「確か、広報の人だけ見本で先行予約出来たって」
「よく知ってるね」

嬉しそうに視線の高さまでストラップを持ち上げて
くるくると回しながらじっと見つめるその姿が可愛かった。

「秘書課でも有名で。いいな~と思ってたんです」
「そうなんだ。言えばよかったのに」

そんなこと言えないです。
と小さな、聞き取れるか聞き取れないかの声で言った後に

「あっ!」
と大声を出して目を丸くした。
「なに?」
その声にびっくりして身を乗り出して聞けば
「刻印ができるんですよね。って言おうとしたら・・・」

そこで上杉さんの名前が刻印されているのに気が付いて
じっと見つめていた。

「いやだった?」
そう聞けば、思い切り首を振って
嬉しいです。と小さくつぶやいた。
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