この作品は18歳未満閲覧禁止です
![](/image/skin/separater31.gif)
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
溺れる恋は藁をも掴む
第4章 心の景色
![](/image/mobi/1px_nocolor.gif)
我慢の糸は、
ある日プツリと切れた。
中学野球最期の試合となる、
県大会予選。
俺は四番のピッチャーというポジション。
嫌な事も多かった俺の日常で、
野球をする事が唯一の生き甲斐だった。
だけど、予選の二回戦であっさり負けて、
俺の中学野球の歴史は幕を閉じた。
あいつに言われるまでは、
悔しいけど後悔はなかった。
出来れば高校に入ったら、
甲子園を目指して、
また野球に打ち込みたかった。
試合に負けて帰った日。
しょんぼりしながらも、
笑顔を作って、負けた事を話した。
あいつも珍しく早く帰っていた。
食卓で酒を煽り、
母さん相手に会社の愚痴をこぼす。
柊はその雰囲気もすっかり慣れてしまっていて、
先に冷やし中華を母さんの横で食べていた。
「お帰り、晶。
三年間お疲れ様ね。
今日は暑かったね。
冷やし中華作ったよ。
良くやったよ。
晶の泥だらけのユニホーム、
面倒だったけど、
もう、洗えないの寂しいな」
慰めようとして、
敢えて、優しい言葉を掛ける母さんに相反して、
親父の口から出た言葉は‥‥‥
ある日プツリと切れた。
中学野球最期の試合となる、
県大会予選。
俺は四番のピッチャーというポジション。
嫌な事も多かった俺の日常で、
野球をする事が唯一の生き甲斐だった。
だけど、予選の二回戦であっさり負けて、
俺の中学野球の歴史は幕を閉じた。
あいつに言われるまでは、
悔しいけど後悔はなかった。
出来れば高校に入ったら、
甲子園を目指して、
また野球に打ち込みたかった。
試合に負けて帰った日。
しょんぼりしながらも、
笑顔を作って、負けた事を話した。
あいつも珍しく早く帰っていた。
食卓で酒を煽り、
母さん相手に会社の愚痴をこぼす。
柊はその雰囲気もすっかり慣れてしまっていて、
先に冷やし中華を母さんの横で食べていた。
「お帰り、晶。
三年間お疲れ様ね。
今日は暑かったね。
冷やし中華作ったよ。
良くやったよ。
晶の泥だらけのユニホーム、
面倒だったけど、
もう、洗えないの寂しいな」
慰めようとして、
敢えて、優しい言葉を掛ける母さんに相反して、
親父の口から出た言葉は‥‥‥
![](/image/skin/separater31.gif)
![](/image/skin/separater31.gif)