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溺れる恋は藁をも掴む
第5章 女心
「有り難う。
香澄。
楽になったよ」

「そう、
それなら良かった。
私ならね、人を好きになったら、
エンドロールが流れるまでは、
諦めないな」


「そんな香澄になりたい」


「あらどうして?」

「私に無いものが沢山あって、
そういう考え方も魅力的だから」

「有り難う。
でも、痩せた華は、
私から見ても羨ましいくらい、
可愛いくて魅力的だけどね。

失恋もするもんだね。
そうやって人は変わってゆく。
華も変われた。

恋を忘れたり、
出来なくなったら、
寂しい女になるよ。
切なくて、辛いくらいが丁度いいのかもよ?」


「香澄は恋してる?」


「恋してますよ。
私は肉食女だからね。
自分から行くの。
何もしなければ、
状況なんて変わりっこない。
そのまんまなんて嫌だもん。
私はあなたに好意を持ってますって、
積極的にアプローチしますよ」


「そういうとこ、
本当に羨ましい」

「待ってる時間が惜しいから。
片思いはオナニーと一緒だもん」

「ちょちょつと‥‥‥オナニーって⁉︎」




オナニーって。

笑っちゃうけど、
言われてみたら、
確かにそうかも?


モヤモヤを自分の中で消化しょうとして、
あらゆる妄想のまんまを抱いて、
気持ち良く思いながらも、
本音は寂しくて切なかったりもする。


心のオナニー⁈





私は笑う。

目の前の香澄も笑ってる。

お洒落なカフェには不似合いの会話。
それでも友達とお茶を飲みながらの恋バナは、とても楽しくて有意義な時間。
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