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溺れる恋は藁をも掴む
第6章 満月の夜に

届いた枝豆を摘みながら、
アキは語る。
「鬱陶しい顔をされんのは、
慣れたよ。
勝負はそこから。
いかにその顔を変えて、
聞く耳をこちらに向けるかだよ。
だから、相手の話もちゃんと聞く。
大事な保険だったらしいんだ。
ご主人のお母さんが、
小さな時からずっと掛けてきてくれて、
社会人になってから、
ご主人に引き渡したらしい。
その頃なら最高の内容の保険なんだけどね。
でも、いざ病気になったりした時の保障が薄かったり、入院した時に出る日額保障が少なかったりでね。
その代わり、死亡した時の保障がやたら大きい。
でもさ、今は医療が進化して、ガンだって、昔ほど難病でもなくなりつつある。
それでもガンになる人は増えていて、
バカ高い治療費を払わなきゃならない。
その時、その時のニーズに合わせなきゃ、
保険って、意味がない事を話したんだ。
一番大事な事は、万が一を考える事。
一家の大黒柱がそうなった時の負担は、
当然、伴侶に掛かってくる。
そんな時、必要なのは金じゃない?」
「うん」
多分、アキじゃない人が語っていたら、
聞く耳を持ちたくない話なのに、真剣に聞いてしまう自分が居た。
アキは語る。
「鬱陶しい顔をされんのは、
慣れたよ。
勝負はそこから。
いかにその顔を変えて、
聞く耳をこちらに向けるかだよ。
だから、相手の話もちゃんと聞く。
大事な保険だったらしいんだ。
ご主人のお母さんが、
小さな時からずっと掛けてきてくれて、
社会人になってから、
ご主人に引き渡したらしい。
その頃なら最高の内容の保険なんだけどね。
でも、いざ病気になったりした時の保障が薄かったり、入院した時に出る日額保障が少なかったりでね。
その代わり、死亡した時の保障がやたら大きい。
でもさ、今は医療が進化して、ガンだって、昔ほど難病でもなくなりつつある。
それでもガンになる人は増えていて、
バカ高い治療費を払わなきゃならない。
その時、その時のニーズに合わせなきゃ、
保険って、意味がない事を話したんだ。
一番大事な事は、万が一を考える事。
一家の大黒柱がそうなった時の負担は、
当然、伴侶に掛かってくる。
そんな時、必要なのは金じゃない?」
「うん」
多分、アキじゃない人が語っていたら、
聞く耳を持ちたくない話なのに、真剣に聞いてしまう自分が居た。

