この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
大きな瞳に映るのは
第23章 関係



― … もうやめる? … ―


期待外れのその言葉に心臓が痛くなる。


いつもの調子で
いいでしょ!みたいな返事をくれると。
そう期待していたのに。



あの時と同じ。
初めて遙に抱かれた日。

遙を失いたくなくて。

必死でしがみついて。

遙もきっとそれに応えてくれるんだって。



でも、もしかしたら
私から離そうとしてしまったのかもしれない。

奏先輩という人に心揺られて。



キキッ … と自転車が鳴り、停止する。

ふと顔をあげれば、
そこはもう遙のアパートだった。


『 … やめたい? 』


遙は地面に足を着き振り返る様に私を見た。



本当は。やめたくなんかない。

二人の時間がもっとほしい。

遙の事をもっと知りたい。



俯き加減で首を横に小さく振る。
これが今の私の精一杯の返事だった。



『 じゃあさ。』


再び遙が口を開く。


『 とりあえず。 』


そう言うと私を自転車から降ろし
自転車を停めると


『 おいで? 』


右手を差しだし、優しい笑顔の遙。

その右手をきゅっと左手で握る。
さっきまでの不安が少し和らぎ
再び遙の温もりが掌から伝わってくる。


手を引く様に部屋にはいると
遙の匂いに包まれる。

あの幸せな空間に。



本当に、いつだって、

遙は、ずるい。


/223ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ