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公衆便所から始まる
第7章 それぞれの覚悟
法事はまぁ……警戒していた以上のことはなかった。
父親も必要以上に話しかけてこなかったし。

だけど、実家にいる間じゅう、有紀人さんの話が頭を離れなかった。

俺は『親に金出してもらってる学生ちゃん』だ。
親父に言うこととすることを一緒にしろと言うのなら、俺のほうも自立しなきゃいけない。
だけどまだ俺は大学2年だ。後先考えないなら大学辞めて就職ってのも不可能じゃないとは思うけど、そうまでしてやりたいこともない。

そんなことを、ぐるぐると。

そして、誰かとの関係にしたって、立派に社会人やってる人たちから見れば俺はまだまだただの『ひよっこ』だ。
自分で稼ぐどころか未来に向けて勉強してるわけですらない。

でもだったら、自分を『仮にも』社会人であるって言う有紀人さんは、なにを考えているんだろう、とか。

考えながら、たまに女の後ろに埋め込まれた有紀人さんのチンコとか俺のを舐める口の熱さとかを思い出してヌキながら、法事に出て試験勉強して、帰ってきたその足で俺は店を訪ねた。
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