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公衆便所から始まる
第8章 背中に思う
こうして思い返してみるとよくわかる。
俺は有紀人さんを抱いたんじゃない、抱かれたんだ。
途中から有紀人さん感じまくってたのも、あの人が自己暗示でテンション上げて、感度上げてただけだった。
だから、なにしてもハマった。

ほんとあの人、なに考えてたんだろう。
吸い尽くされそうなくらいエロくて、なんかすげぇ可愛かった。
また会いたい。もう一度会いたい。

なのに、次の日はバイト休みで、その次の日行ったら香川さんがバーの扉の前で立ち止まってた俺に『ゆっきーはもういないよ』って言ったんだ。

そんとき聞けばよかったんだろう。有紀人さんがどうしたのか。
答えてくれなかったかもしれないけど答えてくれたかもしれない。
けど、聞けなかった。

有紀人さんが香川さんとヤったんじゃないかって気持ちは、もうほとんどなかった。
どーでもよかったのかもしれない。

それより、香川さんが投げて寄越した意味ありげな視線に、飲まれた。
聞いたところでどうにもできないだろ? って言ってた気がした。

なんとなく漠然と、大人って変わらないと思ってたんだな。
転職とか、言葉でしか知らなかった。実感としては知らなかった。
先輩たちも就職して辞めた人も知ってるのに。

でも違った。
大人はある意味自由だった。
子供は家や学校に縛られるけど、大人は最悪嫌なら別んとこ行ける。
自己責任てやつだ。

あの人がなに考えてバーを辞めたのかなんてわからないけど、俺にはまだ、そんな大人の隣に立つことなんてできない。
香川さんに有紀人さんの行方を聞けたとしても、有紀人さんが自分の意志でいなくなったんなら俺にはできることなんてなかった。

忘れよう。
俺はいま俺ができることをやろう。
元々そのつもりだったはずだ……。
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