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手探りな絶望
第4章 野球
佐々木冬実を
誘った店は
モツ鍋屋

先輩の柴田さんに
連れてきてもらってから
すごく気に入ってる店だ

美味くて安いから
寺田ともよく使うように
なっている

佐々木冬実は
酒も飲めると言うので
迷わず俺は
この店を選んでいた


「あ、ここ
めちゃくちゃオススメなんだ」



「あ…」



「ん?」



「いえ」



「もしかして…
来たことある?」



「あ…はい」



「あ、そーなんだ
なんだなんだ
あ、ここでいい?
やだったら他でもいいけど」



なんだ…来たことあんのか…

ちょっとがっかりだよ
グラタンさん



「いえ、ここがいいです
私、ここの料理
大好きだから」





「そっか

……よかったぁ〜」




そう言って
俺は
佐々木冬実を真似て
右手を胸においた



「あ、や、やだ
藤沢さん」



「あはは、ばれた?
佐々木さんの、モノマネ(笑)」



「よく…言われるので…(笑)」



「そっか

さ、寒いから
入ろうぜ?」




「はい」
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