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手探りな絶望
第4章 野球
野球の話をして
引かれなかったのは
はじめてだった


野球の話なんてすると
最初は
うんうんって
聞いてくれてても

だんだん
長い髪を弄ったり
スマホを取り出す子が
多くて

俺は
女の子の前で
あまり野球の話は
しないようにしていた



それなのに
彼女は

俺との会話の中で
今までで一番と言っても
いいくらい

野球の話題に
食いついてきた



「どこのチームが好きなの?」


プロ野球好きで
きっと
好きな選手がいるに
違いないと思った


「あ、そーゆーのは
あんまり詳しくなくて…」


彼女は
そう言って
照れて笑いながら


「野球しているところを
見るのが好き…なのかな…」



「珍しいね(笑)」



「ですよね(笑)
他のスポーツは
ルールをよく知らないので
見ていても飽きちゃうんですけど
野球は見てるの
楽しいです」



誘って…しまおうか…




グラタンさん
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