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手探りな絶望
第4章 野球

誰に電話するのかは
分からなかったけど

とりあえず
日曜日都合が良くなると
いいな…と思いながら
トイレに向かった


トイレから
戻ってくると
まだ扉が閉まっている


仕方なく
俺は
個室の扉が見える
カウンターの椅子に
腰掛け


ブログを開いた



あ、きてる



グラタンからのコメントが
珍しく2件も届いていた



『誘わないで後悔するより
ましですよ』



確かに。



『ダメなら
また誘えばいいと思います』



うん

だよな!!



ありがと、グラタンさん。




当たり前の言葉なのに
なぜか素直に聞ける



なんか
不思議だ…




「あ…」



「あ…(笑)」



その時
ちょうど彼女が扉を開け
俺と目があった


「終わった?」


「はい」


そう言って
少し微笑む彼女に
いい返事を期待しながら
俺は靴を脱ぎ

個室に上がると
彼女が
バックに
携帯をしまった




それは
また



あの赤いガラケーだった





「藤沢さん」



「あ、うん」



「日曜日、大丈夫です」



と、微笑む
彼女の嬉しそうな顔で
ガラケーのことなど
どうでもよくなってしまう

よっしゃ!!

と、ガッツポーズしたいくらいだけど
その気持ちを
必死に抑えて
俺はまた右手を胸に当てた




「よかったぁ…(笑)」



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