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手探りな絶望
第5章 寺田
「おーい寺田ぁ〜」


なんだか
その
赤いガラケーを見たくなくて
俺はその場を
離れようと
寺田を呼んだ


特に用はないんだけど。


「お〜い」


寺田は
少し離れた
駐車場の車の前に立っていた

俺の声が
聞こえないのか
振り向かず

俺はもう一度
寺田を呼んだ



「寺田ぁ〜」



すると
寺田は振り向き
俺に
左手で謝るような仕草を見せた


よく見ると
寺田は電話中


あぁ…電話中か。


あいつも
ガラケーで
電話か。


振り向いて
彼女を見ると

彼女もまだ
電話中で…





なんか




舌打ちしたくなった
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