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サイドストーリー4
第8章 田園シンデレラ
夏の終わりに。
都会から響子を奪ってきて。
始めは元気だった響子がここのところ少し元気がない。
ふとした時に何かを考えているようだ。

この前来た時のように、いつか帰るということを前提にしない田舎暮らしが
だんだんと負担になってきたのかと不安になる。

そう。純子みたいに―――

同じ過ちは繰り返したくない。
何より。
響子を手放したくない。

問題に直面するのが怖くて
それでもあの時、話し合いが足りなかったことを反省して
眠りに入りそうな響子の髪を撫でながら話を切り出した。

「響子、しばらく横浜に帰るか?」
「え?」
「少しゆっくりしてくるか?」
「・・・・なんで?」

「夏野菜も落ち着いたし」
「・・・・なに?暇になったから帰れってこと?」
「ん?そんなこと言ってないだろ。慣れない畑仕事で疲れたんじゃないかと思って。
少し横浜でゆっくりしてくればいいよ」
「なんでそんなこと言うの?」

「なんでって・・・」
お前を失いたくないからだよ―――
1番肝心なことは言葉にならなくて。

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