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月の吐息
第2章 満月

こないだと同じ女性ピアニストが、今日も弾いてくれたのは"Moon River"。
今夜も好きな曲を聴けるなんて、なんて素敵な前祝い。
多少フラつきながらも、心地良い気分で帰宅すると、顔を洗ってパジャマに着替えてベッドにダイブした。


明日は土曜だけど、午前中は出勤だから、目覚ましかけなきゃ。
棚の上を手探りで確かめて、指が、あの箱にぶつかった。


(・・・)


ちょっと考えてから、再び箱を手にする。
まだ一度もつけていないネックレス。


「今日くらいは、付けてやっても、いいかな?」


―――美月に伝えたいことがあってさ


真剣な健二の顔を思い出すと、急に笑えてきた。

「ふふふ・・・、あはははは」

笑いながら起き上がると、ベッドにペタリと正座を崩して座り、ネックレスを取り出す。

「"正式にプロポーズしたいんだ"」

あの時の健二の真似をしながら、留め具を持った手を首の裏に回す。

「"これからもお前の隣に"・・・、っふふふ、真剣になっちゃってさー」


ネックレスを止めると、起き上がって鏡で見てみた。
すっぴんにネックレスの私が、こっちを見てる。


「・・・」


ちょっと考えてから、小さく笑う。
まだ酔ってるな。なんて思いながら、スマホを取り出すと、ベランダに出てみた。


「満月だ」


スマホで時間を確認してから、夜風に身体を晒しながら月を眺める。


1時半。あっという間に29歳になってた。
健二は私より1ヶ月遅い誕生日だから、私の方が年上になる。


年下の男の子、か。


「なに、考えてんだろ、私」


ネックレスなんて付けたからかな。
月明かりにチャームが煌めくのを眺めていたら、持っていたスマホが急に震えた。


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