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月の吐息
第2章 満月


健二の声が、左耳から聞こえる。
右手で目覚まし時計を手に取ると、明日の起床時刻に合わせながら話を聞く。


「すげー悩んでるっていうかさ。考えてるんだ」
「うん」
「結構、重要なプロジェクトに関わっててさ」


仕事の話か。やっぱりね。


「俺としては先方にイエスを言わせたいんだけど、先方の望むものが見えてなくて、今の俺でいいのか、自信が無いんだよね」
「ふーん」
「割りと付き合いは長いんだけど、その分、段取りとか話し合い? そういうのが、なぁなぁになっててさ」


まぁ、営業マンだと、そういうことはあるよね。
うちの営業も、顧客と電話で楽しそうに喋ってたのに、切った途端に頭を抱えてることあるもんな。
仲良くなりすぎるっていうのも、考えものなのよね。


目覚まし時計を棚に戻して、思い出したように首のネックレスを触る。
明日の朝、外せばいいか。


「俺としては、改めて先方のことを、もっと良く知って、今後の関係を、一つ上にブラッシュアップしたいんだけど、どう攻めていけばいいか、悩んでてさー」


健二が溜息をつく。行き詰まってる感じが伝わってくる。


「それはさ、健二の思ってることを直球で伝えるしか無いんじゃないかなって、私は思うけど?」

「直球?」

「うん。長い付き合いならさ、健二の良さだって分かってくれてる会社なわけでしょ? 素直に伝えても、悪い方に転ぶことは無いんじゃないかって、私は思うけど」

「・・・・・」

「それに、そんなに真剣に互いのことを考えてくれてるって分かったら、よりお互いの関係が良くなりそうに感じるけど」

「そっかな」

「そうだよ。私だったら嬉しいしね」


柄にもなく落ち込んでいる声に、明るく返事をする。
目を閉じて、エレベータの扉越しに見えた、あの笑顔を思い出す。





「バーで飲んだ時、最後、すっごい、いい笑顔してたでしょ、健二。あの笑顔で行けば、プロジェクトなんて楽勝だって」





「・・・・・・そう、だな」





「うん」


















「じゃあさ、美月の今の格好、教えて?」

















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