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講義の終わりにロマンスを
第2章 Jazz Bar『Dance』
真菜がファーストフート店で自分の家庭教師を見つけた時は、まさか、その男が、こんなところに来るとは思っていなかった。


バスの発着場から、駅を挟んで反対側の歓楽街。真菜がそっと後をつけている時は、まだ夜の帳に包まれていなかった、そこは、ビジネス街の延長とも言える乾いた空気に包まれていたが、それでも駅から離れて歩くにつれ、よく見ると『BAR』や『キャバクラ』という文字を看板に見かけるようになる。
せめてもの救いは、大通りの反対側こそが歓楽街の中心地であり、今、真菜が見上げるビルが立つ場所は、かろうじて"駅周辺の雑多な一角"という名称をつけることも出来うる敷地内だったことだろう。


(あっち側に渡られたら、制服で歩くのは、ちょっときつかったかも)


そんなことを考えながら、真菜はビルを改めて見上げている。
気づけば、もう夜7時だ。どれくらい、この場所で立っているか分からなくなってしまった。
一度、帰宅しようと思ってから、ふと、真菜はエレベータ脇の案内に近寄った。


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