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彼色に染まってく…
第5章 麻由莉の決意

私は
佑貴に抱きしめられ

俯いたままで


自分の涙が

こぼれ落ちていくのを
見ていた…



『麻由莉…
ありがとう。


俺、麻由莉のこと


絶対
大切にするから…』



そう言って佑貴は


しばらく
私を抱き締めてから


ゆっくりと

私の顔を覗き込んだ。



『麻由莉…?

何で泣いてるの?』


『わ…かんないけど…

たぶん…


今…幸せ…だから
かな…?』



佑貴の顔を
まっすぐみつめて

素直な気持ちを
伝えると…


佑貴は


私の体を

そっと抱き寄せた。



『麻由莉…
大好きだよ…

麻由莉…』


佑貴は


私のおでこに

優しく
キスをしてくれた。



その瞬間

私は…


体がゾクゾクするのを
感じた…


『まゆも…

佑貴が…好き…

ずっと…

そばにいたいの…』



『ヤべぇ…


部屋だと
理性失いそうだから

わざと
リビングにしたのに…


麻由莉がかわいすぎて

俺…ブレーキ
きかなくなりそ…』


佑貴は
今度は痛いくらいに


力強く
抱き締めてきた。



『ゆう…き…苦し…』



『ごめん!


でも…

しばらく我慢して』



佑貴は、更に強く
私を抱きしめた。












『ねぇ麻由莉…

なんでこんなに早く
答え…出したの?』


佑貴は
しばらくしてから

やっと少しだけ
力をゆるめてくれた。



私はドキドキしながら
打ち明けた…




『あ…あの…

まゆね…


え…SMについて

もっと勉強しようと
思って…


色々調べてみたの。


スマホで検索して

画像とか、文章とか
色々見て…


すごく
ドキドキしたんだ…


そして


まゆが…もし
佑貴から離れたら


その後佑貴は…

どうするんだろうって
考えてみたの。


いつか佑貴は

他に好きな人が
できるかもしれない…


もしかしたら

綾乃さんみたいに

自分の欲望を
満たしてくれる誰かを

求めるかもしれない…




そして…他の誰かと…

こういうこと
するのかな…?って


考えたら

なんだか
苦しくて、切なくて…

自分でも

よくわからない感情が
溢れてきて…



他の人と…

しないでほしいって…


思っちゃったの…』


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