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彼色に染まってく…
第6章 始まりの日
欲情…?

佑貴はさっきから
何度もそう言うけど…

私…欲情してるの?




『佑貴…あのね…



笑わないで聞いてね。



まゆ…あの時


何でか
わかんないけど…


佑貴になら
泣かされてもいい

なんて…
思ってしまったの…


その後
佑貴に腕掴まれた時は

佑貴に、このまま
抱き締めてほしい…

って…思った…




そういうのって…

欲情…って言うの?』



『他にも
何度もあったよ。


麻由莉が、欲情して


トロンとした目や

潤んだ瞳で


俺のこと、
見つめてきたこと…』



『嘘…やだ…そんな…

恥ずかしいよ…

まゆって…もしかして
変…なのかな…?』


私は、両手を
熱い頬に当てた。



『そうだね…

もしかしたら
普通の女の子より

感じやすいぶん…

欲情しやすいのかも
しれないね。』


『自分では…

全然わかんないよ?』


佑貴は、

私のお腹の辺りに手を
回し、そっと私の体を
自分の方に引き寄せて

私の肩に軽く顔を載せるようにしながら言った


ドキドキしちゃうよ…


『だから余計…
タチ悪いんだって』


『どういうこと?』


『欲情してる時の
麻由莉は…まるで
別人みたいにエロくて

やらしい顔とか仕草で
男を誘うんだよ…

正直俺も、何度も
理性失いかけたし…


なのに当の本人は

何食わぬ顔で
すっとぼけてるから…

それが、タチ悪い
って言ってんだよ。



俺は…

麻由莉が
そんなに、いやらしい
反応をするのは


俺にだけなのか…


それとも、誰にでも

そんな風に
欲情してしまうのか…



それが知りたくて

実は昨日…
痴漢されてる麻由莉を

しばらく眺めてたから


助けるのが

遅くなっちゃったんだ
よね…


ごめんな、麻由莉…』


『えっ!!そんな…

まゆは…すっごく
怖かったのに…』


だから佑貴は、私に

何度もそのことを
謝っていたんだ…?


『許して…麻由莉?

でも、そのおかげで…

麻由莉のこと
ちゃんとわかったから


麻由莉が本気で
嫌がってるの見て…

俺…すげぇ後悔
したんだってば』


『まゆは…

佑貴以外の人に

そんなこと思わないし
感じないもん』



『そんなことって…
どんなこと…?』


『えっ?』

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