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第19章 愁の記憶

夕方になり、愁は、目を醒ました。

ﾏｽｸは、とれたが、点滴は、まだとれない。

（愁）「あっ、ﾊﾟﾊﾟだ。本田のおじさんっ！」
（本田）「こんばんは。ありがとう。覚えててくれて。」
（愁）「楓くんは？おうち？」
（本田）「そうだよ。また、愁くんと遊びたいから、元気になったらさ、また遊んでやってくれるかな？」
（愁）「うん！ねぇ、ﾏﾏは？」

ｺﾝｺﾝｯ…

（看護士）「こんばんは。拓斗くん、お久し振り。」

¨あの時の看護士さん。¨

（看護士）「どう？」

俺は、首をふった。

（看護士）「そっか。愁くん？」

ｺｸﾝｯ…

（看護士）「この椅子に座ってさ、先生のところ、遊びに行こうか？」
（愁）「やだっ！お注射するもん！」
（看護士）「えーっ！しないわよ！だって、今、頑張って、つけてるでしょ？」
（愁）「これ、じゃま！」
（看護士）「じゃ、先生に言ってさ、それ取ってもらおーね。」