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深海のパンツァー
第11章 9-ジャスティス改の咆哮
二川の案内で紫苑はある工廠内に入る。
そこには淡いグレイの戦闘艦が繋留されていた。

新造艦“ジャスティス改”である。

紫苑には懐かしい思い出がある。
彼はオリジナルのジャスティスに乗艦した経験もあれば、ジャスティスを敵に回して戦った経験もあるのだ。

「……まさにジャスティスだ」

紫苑は見とれた。

「メテオ発射管も一基ある」

二川が指差す方向には大きな長距離砲がある。
数十キロ先の陸地まで攻撃できる最強のミサイル発射管だ。
オリジナルはこのメテオ発射管が8基あり、両舷に4基ずつであった。

このジャスティス改は艦橋と間違えてしまうほどの大きさで甲板に一基備えてある。
オリジナルのジャスティスも甲板にヤールングレイプルというメテオ発射管とは独立した長距離砲があった。

ジャスティス改はそのヤールングレイプルの位置にメテオ発射管が一基ある。
“改”とはカスタマイズを思わせるが、このジャスティス改はオリジナルの火力を抑えたライト版ともいえた。

さらに甲板には埋め尽くすように大砲が備わっている。
それだけでなく、原始的な弓を放つ“バリスタ”。岩をイメージした爆弾を投擲するカタパルトもある。


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