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第11章 9-ジャスティス改の咆哮

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大小の島影が散らばる天津の海域で天津最強の戦闘艦ジャスティス改が咆哮をあげた。
広い甲板の上で乗組員が集合する。

その甲板には見られぬ、二人のイヴァリス人がいる。
その二人は天津がイヴァリスと戦争を目論んでいることなど知る良しもないが―-

ひとりは神官の女性。
名をマリアという。彼女は天津に宣教師として招かれている。
過去に紫苑がイヴァリス聖騎士団のもとで観戦武官をしていた頃に知り合った旧知の友で彼の命の恩人でもある。
イヴァリスでは高司祭と謳われる彼女だが、弟子をとらず神官の位で落ち着いている。

もうひとりは竜騎士の男性。
名はベクトル。天津とイヴァリスの交換留学生たる観戦武官だが、その跨る飛竜・ワイバーンを天津は導入しようと検討しているのだ。
さらに彼が持つ、バレルスピアは槍と軽量化した砲塔が一体化する武器であり、機動力のあるワイバーンで上空、低空から敵艦に接近し攻撃するという新時代の攻撃方法である。