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深海のパンツァー
第16章 14-判決
***戦後***



開廷してすぐに、審問長はゲイツ中佐を見据えて言った。

「これより、最終弁論を開始する」

この法廷で最後の決着となる。
ゲイツは唇を噛みしめる。ここで刑が確定する。

『死刑判決』

ゲイツは挙手して立ち上がる。

「弁護側に新たな証人の用意があります」

審問長は不機嫌そうな顔で、

「……審問を左右する重要な人物なのかね?」

「はい」

「敵を救助する上級士官は死刑に相当する!命を預ける兵士とその遺族が納得しないぞ!連邦はガイアの病原菌を!汚物を消毒するために戦っているんだ!」

ザウート大佐が憤怒の表情で叫んだ。

「……検察側の異議を却下する。弁護側は証人喚問を……」

ザウート大佐の言葉は法廷には関係ない世論の言葉だ。
世論に認めてもらうことは連邦法務官として一番重要なこと。そして上の指示どうりの刑を審問長に言わせることが彼の正義なのだ。

ゲイツが振り向く。レオンハルトもそちらを見た。
待機所入り口にいたゲイツの秘書がドアを開ける。

そこに現れた男を見て法廷内はどよめいた。



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