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Dolls…
第16章 誘惑の果て


まるで焦らすみたいに、布を1枚隔てて感じる椎葉さんの舌先と熱い吐息。

内太股の皮膚に直接感じるだけで背筋がゾクリと逆立つ。

くすぐったいはずなのに、甘い色気を絡んだ吐息が漏れてしまう。


「あっ、ん…」

「くすくす、布越しなのにこんなに…」


愛液で作られた染みが広がっていく。

ショーツが濡れ、ひんやりとした感覚が布を通り地肌にまで伝わった。





そして、椎葉さんに抱かれ続け、椎葉さんの体に慣れてしまった私の体はこれだけの刺激じゃ物足りなくなったのか

決して認めたくはない欲望が疼き始めた。



"ちゃんと触れて欲しい"



そんな破壊願望にも似た衝動が私の中で沸き起こった。

だけど、微かに残る理性がその衝動を必死に打ち消そうとしている。



「や、やだ…っ、やめて…っ」

"ちゃんと触れて…、焦らさないで…"


「嫌…っ、あ…」

"もどかしい…"




天使と悪魔が頭の中で戦い、傷つけ合ってるような気分だ。




違う…。

私はそんな事、思ってない…。


そう思えば思うほど、抑圧された衝動が今にも暴走してしまいそうになる。

だけど、頭では否定しても私の体は正直に反応してる。

腰はねだるように動き、ベッドのシーツをギュッと握り締め、口から漏れる吐息は甘く切ないモノ。

私の下半身から溢れる愛液が何よりの証拠。

そして、椎葉さんはそれを的確に読み取っている。


私の口から出てくる言葉など信じず、私の体の声を感じ取っている。

だから、どれだけ言い返しても無駄なのだ。












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