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Dolls…
第17章 悪魔のささやき


これ以上は聞いてはいけない。

そんな気がする。

この屋敷に来てから私の危機回避能力や勘は磨かれて来た。

椎葉さんの企みを見抜くために培って来た能力。

その能力の勘が私に警告する。


"これ以上、聞いてはいけない"と。


なのに、体が固まってそこから動くことが出来ない。

嫌でも、この会話が耳に入ってくる。




「興味がない?だったら椿ちゃんは?奈々と同じ目に遭わす気か?」

「そうじゃない…っ」

「椿ちゃん、俺を部屋に案内しながらお前の事を探ろうとしてた。…どういう意味かわかるだろ?」




━━━━━ドクッ!






安藤さんの声が変化して行く。

今朝聞いた軽い口調じゃなく、切羽の詰まったような声。

椎葉さんの声も、いつもの余裕がなくなってるようだった。




安藤さん、気づいてたんだ。

私が椎葉さんの事を探るために安藤さんを招き入れたことを。


それに、私が奈々さんと同じ目に遭うってどういう事…?






いつかの奈々さんの言葉が脳裏に蘇る。









"あなたもいつか秋人に飽きられてボロボロにされて捨てられる"











あれは、こういう事だったの…?














「あれは、奈々が…」

「俺から奈々を奪っておいて、飽きたら今度は新しいお人形さんか?よくやるよ…っ」











え…?今、安藤さん、何を言ったの…?




"俺から奈々を奪っておいて"…?

今、安藤さんは確かにそう言った。

どういう事…?



奈々さんは、安藤さんの恋人だったの…?

椎葉さんが安藤さんから横取りしたの?

でも、こんな山奥までを訪ねて来るほど仲のいい幼馴染みなんじゃないの…?


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