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Dolls…
第19章 泣きながら、あなたを…
痛い…。

ヒリヒリしてて背中に火がついたみたいに痛い…。

痛い…はずなのに…、何だろう…。

何だか…、痛みが徐々に引いてるような…

ヒリヒリしてたはずの背中の痛みが少しずつ和らいでる。

それどころかまるで水に浸ってるみたいに涼しいような、冷たいような気がする。

だけど、その冷たさが傷の痛みを和らげて何だか気持ちいい…。

気持ちいいけど…、これは、一体…?




「じっとしてろ…」

「んぅ…」



椎葉さんの、声…?



━━━━━━━っ!?




椎葉さんの声に反応するかのようにベッドから跳ね起きた。

今、聞こえた椎葉さんの声って…っ!?



「動くなって言ってんだろ?」



俯せに寝てた体を反転させると、そこにいたのは

「椎葉さ…っ」

本物の椎葉さんがいた。

ベッドに腰掛けながら私を見下ろしている。



な、何で椎葉さんがここに…?

そう思ったが椎葉さんの手には丸い小さな円筒のような入れ物が握られていた。

そして、その中に入ってる何かを指につけながら…。

「ほら、じっとしてろ…」

私にベッドに横になるように促す。


「え…?」

そう言われても、本物の椎葉さんを目の前にしてびっくりして…、固まってしまった。


どうやらその入れ物は塗り薬のようで、その薬を私の背中に塗ってくれてるようだった。


あ…、もしかして、背中の傷に薬を…?


「尚人に聞いた。何でもっと早く言わねぇんだ?傷が痕になったらどうする」

「あ…、だって…」

安藤さんが椎葉さんに傷の事を知らせてくれたんだ。

それで、椎葉さんは私の背中の傷に薬を塗ろうとして…


「そんな事よりいいのか?いつまでもそんな格好で」




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