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Dolls…
第22章 遠い街角
「外出、ですか?」

「そ!ちょっと遅めの朝ご飯!それに、椿ちゃんの服とかも揃えないとね!」


流れ的に私はこの部屋で暮らさなきゃいけないみたいだ。

けど、私のアパートももしかしたら引き払われてるかも知れないし、新しく部屋を借りたくても手持ちのお金はないし、通帳類はアパートに起きっぱなしだ。

それに、無断欠勤した私は当然クビになってるだろうし。

何だか強引な流れだけど、当分はここでお世話になって、職を探しながら部屋を見つけよう。

それに…


「あの…」

「ん?何?」

「外出するなら、1度アパートに寄らせてもらってもいいですか?」

「……椿ちゃんのアパート?」


それに、ここに住むにしてもアパートに置いてある荷物は取りに行かなきゃならない。

引き払われてたとしたら荷物は全て捨てられてるか実家に送り返されてる。

だけど、もしかしたら残ってるかも知れない。

私の画材道具が…。


「アパートに行ってどうするの?」

「あの…、私の荷物を…。通帳とか判子とか置きっぱなしでしたから」

「……だったら、俺が今度見に行ってあげるよ!何ならまた秋人の権力を使って取り返して来てあげるから」

「え…?」



安藤さんが私のアパートを…?

その言葉に私は少しの不信感を覚えた。




そりゃ、何日も留守にしちゃって大家さんに合わせる顔がないにしても何で安藤さんが?

私を気遣ってくれてるの?

だとしても、これは私の問題なのだから私が行かなくちゃ…。

契約したのは私だし…。



「そんな…、私が借りたアパートだし私の責任ですから私が直接…」

「いいっていいって!元はと言えば秋人がムリヤリ椿ちゃんを誘拐したようなもんなんだから!」


……確かに。



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