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第25章 最後の真実

ベッドに身を預けながら私は恐怖と戦っていた。

このままじゃ本当に安藤さんの思うままにされてしまう。

そんなの嫌だ…。

何も食べてないのに込み上げる吐き気を抑えるので必死だった。

…椎葉さん以外の人のものが入って来ると思っただけでもおぞましくて気持ち悪い。




━━━━ピンポーン。




「はいはーい」

再び玄関のチャイムが鳴った。

宅配便が玄関までやって来たのだ。

安藤さんは浮き足立ちになりながら嬉しそうに玄関へと向かった。





安藤さんが戻ってきた時、私は安藤さんに…。

思うように体が動かないだけに待ってる時間がもどかしくて怖い。

出来ることならここから逃げたい。

今この場で舌を噛み切って死ぬことも出来ない。



「ふ、ひっく…、し、椎葉さん…っ」






私を振った癖に…、安藤さんと私が一緒に住んでると勘違いして車を走らせてここまで来てくれた。

ボロボロに突き放した癖に…、私がどうなろうが関係ないって顔してた癖に…、私と安藤さんが一緒に住むのは駄目だと言う。

椎葉さんの考えてることはいつもわからない。

だけど、これだけは言える。



どんなにボロボロになっても、私は椎葉さんが好きだ。

例えこのまま、安藤さんのものにされたとしても…。









━━━━━ガチャ。



「ご苦労様です。おいくらですか？」

玄関を開けるとそこには制服を着た宅配業者が立っていた。

恐らく大荷物だろうと思いチェーンを外してドアを全開にして荷物を受け取ろうとした。

「今、判子取ってきますね。あ、サインでもいいですか？」

「…………。」

ところが、宅配業者は俯いたまま何も喋ろうとはしない。