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Dolls…
第26章 Dolls…






外はいつの間にか豪雨。

殴り付けるような雨がフロントガラスを激しく叩きつけてる。

時折、空に閃光が走ったかと思うと唸るような雷鳴が轟き雨脚をより一層激しくさせる。

フロントガラスのワイパーも速度を上げるが視界はボヤけて今にもハンドルを取られそうになっている。






「…………。」

「…………。」

あれから椎葉さんは一言も言葉を発してない。

それに釣られてこっちまで無口になってしまう。

この車は今どこに向かってるのか、私をどうしようと言うのか…、それさえも聞いちゃいけない雰囲気だ。


椎葉さんは私に何もかもを話すと言ってくれたけど、今更ながら聞くのが怖い。

聞いたら最後、本当に後戻り出来なくなってしまいそうな気がした。

でも、私は全てを受け止めると決めたんだし、何を聞いても椎葉さんのそばから離れないって決めたんだ。

どんな過去を聞かされても椎葉さんを受け止めてみせる。


と、その時



━━━━━ガタンッ!!


「きゃあぁっ!!」

突然、車体の下から突き上げるような振動が伝わった。

恐らく、地面の状態があまり宜しくない道を走行してるようだ。


ガタガタと車体を揺らしながら煩いぐらいにエンジンを蒸かしているところを見ると、凹凸の激しい斜面の坂を登っている最中なのだろう。

にしても、この揺れ方…、もしかして山道でも走ってるのだろうか?

三半器官は強い方だけど、この体勢とこの揺れ方じゃ今にも酔ってしまいそうだった。

体を起こしたくてもまだ体が痺れてて言うことを効かない。

いつになれば体の自由が戻るのだろうか…。


そして、椎葉さんは一体どこへ向かおうと言うのだろうか…?





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