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甘くてやさしいキスをして
第3章 彼の表と裏
終業時間のチャイムが鳴って、1人、また1人と帰って行く。

あ、もう20時。
ふと周りを見ると、数人の男性社員と私しか残っていなかった。

「広瀬、まだかかりそう?」

主任から声を掛けられた。

「…はい。もう少しかかりそうです」

私が答えると、主任は目を細めた。

「藍沢についてみてどう?」

そう聞かれて、

「大変です。すごく」

私は思わず本音を漏らした。

主任は「そっか」と言いながら笑った。
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