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第9章 決断 × 彼女の涙

侑から転勤の話を聞かされてから数日後、私は未緒の部屋を訪れていた。

未緒は何も言わず、私の話を聞いてくれた。

鈴木さんのことは今まで話してなかったし、きっと驚いたと思う。……途中から泣いてしまってうまく話せなかった……。

「唯………」

未緒は私の背中を優しく撫でる。

「……私、最低なの」

………侑についてくってあの時言えなかった。

………侑がいるのに、鈴木さんに惹かれてる。

涙を流す私に、

「唯は最低なんかじゃない。……そんなふうに自分を責めないで……」

そう言って、ギュッと手を握った。

その日の夜は「今日は泊まって行って」という未緒の言葉に甘えてしまった。

ベッドに２人で横になる。

「未緒……ありがとう」

「ううん。唯がどんな決断をしても私は唯の味方だからね」

私はこれからのことを思い、そっと目を閉じた。