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第16章 ナガラ探し

「ここにナガラの地図がある」

　タケ坊はポケットから地図を取り出す仕草をした。
　もちろん、地図なんてない。エア地図だ。

　これはごっこ遊びなんだから。
　それで充分。

「なんだよ、やっぱり宝なんじゃん」
「ばーっか！　ナガラにも地図があんだよ」
「ナガラの島もあったりすんだろ？」
「あるよ」

　しゅんちゃんの皮肉を事もなげに呑み込むタケ坊。
　やっぱり、年上だけあってタケ坊の方が一枚上手だ。

「だから、俺たちは出発するんだ！　いざ、ナガラの島へ！」
「どうやって行くの？」と、私。
「島だから船かな？」

　しゅんちゃんがすぐに解決案を出す。
　やっぱ、頭いい。

「いや、泳いで行く」
「ええー！　＞＜」

　タケ坊の無茶振りに、私としゅんちゃんが揃って悲鳴を上げる。

「だが、俺の事は船長と呼べ！」
「ええー！　＞＜」

　そうは言っても面白くなってきた。