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タンバリンでできたオーロラ
第22章 光の戦士サーラと闇の魔掌

 痛み、ではない。

 もっと甘やかな……しかし、それでいて反応せざるを得ない感覚が胸の辺りにあった。

 眼を落すと、革の胸当てに、黒い手のような形のものが張り付いていた。

(これは一体……?)

 眼をしばたく。

 生き物……のようには見えない。
 厚みがないのだ。

 例えるならば、影のような……いや、それは実際に影であった。

 ラムドが篝火に翳した手の影がサーラの胸に落ちているのだ。

「要望に応えて姿を見せてみれば、いきなり暴力でもって迎えられるとは哀しいことです……しかし、私は寛容でね。それでもなお、丁重におもてなしをして差し上げましょう」
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