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らぶあど encore!
第5章 glassの鎧
欠伸をして出ようとした時、足首を掴まれ、弾みでドアに顔をバーンとぶつけてしまう。


「い……痛いっ!何なんだよ!」


景子は亮介の足にしがみついて泣いて訴えた。



「い、行かないで――!
まだ、その辺に仲間が居るかも知れないじゃない!」


「な、仲間って!」



「蜘蛛の一族がこの部屋に潜伏して、驚かしてやろうって
"ひっひっひっ"
て笑って私を何処からか見てたらど――するの!?」



足をブンブン動かして振り払おうとするが、スッポンの如く景子は離れない。

異様なしぶとさと頑なさに亮介は絶句した。


「お、お願い……こわい……こわいよう……」


子供みたいに泣きじゃくる様子を見て、亮介はフーと溜め息を吐く。


「しょうがないな……あと少しだけ居てやるよ」


「!」


景子が涙でぐしゃぐしゃになった顔で亮介を見上げた。



「ただし、また虫が出てもさっきみたいに騒がない事!
ホテルマンがびっくりして飛んで来ちゃうよ」


景子はコクンと頷いた。
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