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らぶあど encore!
第9章 ライヴ=人生?④



「そ……そうだった?……て、泣いてないから!」


景子は見え見えの嘘で誤魔化そうとするが、兎の様な目からはまた新しい涙が生まれていた。



亮介はふと真剣な目をして、周囲をチラリと見てから景子の腕を引っ張り、ステージの袖のカーテンの中へ隠す様にした。


「さっきまでパリッシャキッとしてたのに、どうしたのかな?」



「パリッ……シャキッ……て……何よそれ」



大真面目な亮介の表情と口調が可笑しくなり、景子は泣きながら吹き出した。



亮介は、それを見て嬉しそうに笑う。



「あ――!笑った笑った!良かった――!」



「……」



景子は亮介の思わぬ気遣いに戸惑いながら涙を拭い、乱れた髪を直した。

さっきまで暗くて重い悲しみの渦に呑まれそうになっていたのが嘘の様に気持ちが晴れて、涙はもう出てきそうにない。


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