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らぶあど encore!
第16章 不穏な前兆



「はい……北森です……
どなた?」


景子は、電話の相手が何も言わないのを不審に思い、眉をひそめ怪訝な声になるが、激しく咳き込む音が聞こえ、顔色を変えた。


まさか……と思い、小声で聞く。



「……洋ちゃん?」


『ま……ゲホッ……
ママ……っ……ゲホン』


景子は、思わず椅子から立ち上がった。


あぐりも、その様子が気になり見つめるが、景子はあぐりに頭を下げるとスマホを耳に充てたまま店の外へ出ていく。


入り口で亮介と目が合ったが、彼の顔を見て何故か涙が溢れそうになり、歯を食い縛り耐えて目を逸らし足早に誰も腰かけていないテラス席に座る。




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