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らぶあど encore!
第16章 不穏な前兆



景子は、違和感に身体を震わせ唇を噛む。


ガラス一枚隔てた向こうの世界は自分には似つかわしくない――寧ろ、自分を拒絶している様にも見えた。


笑いさざめく人々……自分達の日常を真っ当に生きている人達が、向こうには居る――


自分には、あの人達とは全く接点がない――



亮介でさえ手の届かない人に見える。



先程まで感じていた、自分を包み込む柔らかい優しげな空気までが嘘だったかの様にも思えてくる。



『クレッシェンドの懐に入って……
上手くやれよ?』



史の、悪魔の様に綺麗な顔と、囁いた言葉が景子を今になって苛み始めていた。



(そうよ……
私は、あの人達とは最初から違う……
分かってた事じゃない……)



正体不明の胸苦しさに顔を歪めた時、洋平の咳が聞こえなくなった。



「洋ちゃん?
洋ちゃん!」


景子は、必死に呼び掛けた。


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