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らぶあど encore!
第18章 波瀾のdate
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「ありがとうございます……
歌、頑張って下さいね……」
ほなみは、史にお辞儀をするとスカートと長い髪を翻し、人込みの中を小走りに駆けて行った。
その時、何か光る物が落ち、史は拾い上げ
「おい――落とし……」
声を上げたが、ほなみが祐樹と手を握り、抱き締め合うのを見て口をつぐんだ。
祐樹は、ほなみの肩に鼻先を埋めて安堵の溜め息を吐いていた。
「良かった……見付かって……
ダメじゃないか……
一人で人込みの中を歩くなんてさ……
なんか、得体の知れないバイ菌に感染したらどうするのさ?」
「え……そもそも街でデートしようって言ったのは西君でしょう?」
ほなみは顔を上げて少しむくれたが、祐樹の心配そうな表情を見て直ぐに笑顔になる。
「……ゴメンね?
私……勝手にヤキモチ妬いて怒って……」
祐樹は目尻を下げて、ほなみの頬を軽く摘まむ。
「ヤキモチ、嬉しいからどんどん妬いて?」
「え――っ?」
「でも、プンプンし過ぎは赤ちゃんもビックリすると思うよ?」
「う……そうだよね……
ゴメンなさい」
「いいよ、もう……」
(ほなみの笑顔を見れたから、もう何でもいいよ)
祐樹は、雑踏の中、ほなみをもう一度抱き締めた。
ほなみも、彼の腕の中で甘い幸せを噛み締めていた。
そんな二人を、史は離れたところから見詰め、独り言の様に呟いていた。
「あの女が……
西本祐樹の……?」
祐樹を見付けたときの、彼女の嬉しそうな顔が過ると何故かムシャクシャして来て、足元の空き缶を力任せに蹴った。
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