パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第19章 心～crossroads

景子は、鋭い痛みに目を見開くと、涙を溢れさせ史を見た。


史は、先程会ったほなみが痛みを堪える表情が景子に重なり、ハッと我にかえり、しゃくり上げる彼女を抱き締めて詫びた。



｢ゴメン……ゴメンな景子……
だってお前が焦らすからだぞ？
……ぶって悪かったよ……
今からとびきり気持ちよくしてやるから……許せよ、な？｣



史の、何処か呂律が回らない囁きを聞きながら、景子の心は急速に冷えていく。


――この人は、私の事など愛していない。
ただ、自分が寂しいときに温もりが欲しくて私を好きに抱く。
それだけなんだ……

何故、今まで分からなかったんだろう？――





｢……て｣



｢ん？何だ？｣


史は、景子の額にキスして猫撫で声で聞くが、景子は、震えながらやっとの思いで言った。



｢離して……下さい｣