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弟プレイ
第11章 蒼 eyes.2 姉の情事
後処理をしたティッシュの塊をゴミ箱に放り投げ、くたりと壁に寄りかかった。
必然的に姉貴と神谷の会話が聞こえてくる。
「この先は……まだ止めておこう」
「えっ?」
姉貴が驚くと同時に、俺も驚きに耳を傾ける。
「でも神谷先輩は……まだ」
「いいんだ。梓は初めてなんだろう? だから、これからを大切にしたいんだ。今日はつい…その、暴走しちゃったけど」
「先輩……」
ここまでしておいて退く、というのは。
神谷がどれだけ姉貴のことを本気で想っているのか語るには、十分の言葉だった。
「なんだよ……馬鹿は俺じゃん」
心配する必要なんて、最初から無かった。
神谷は俺なんかより、よっぽど――
その後は母さんが帰ってきて、どちらにせよ二人は、最後の一線を越えることもなく。
しばらくすると、神谷は帰っていった。
「……弟の俺は、さっさと諦めろってことか」
小さくなっていく神谷の背を見送りながら。
俺はいよいよを持って、この時が来てしまったことを自覚した。