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第16章 続編,元彼、元カノ。

　

トントン。


「……さ、梓ってば」

「へ？　な、なに？」


肩を叩きながら呼び掛けられて、先輩から逸らそうとしていた意識を戻す。


「なにって……あんたの番よ、自己紹介」

「あ、あぁ……自己紹介ね」


周りを見る余裕もなくて、ついボーッとしてしまっていた。

顔を上げると、必然的に先輩と目が合う。


どうして……ずっとこっちを見ているの？


心臓はバクバクと不規則に高鳴り、震えそうになる声をなんとか喉から絞り出した。


「えっと、立花 梓です。今日は久しぶりの合コンで少し緊張してるけど、楽しんで帰ろうと思っているので。よろしくお願いします」


ぺこりと軽く頭を下げる。

緊張してるのは合コンではなく、先輩のせい。

楽しむ余裕だって、本当は無い。