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狐面の男に 愛されまして
第2章 不審な男に 絡まれまして
「イヤだと言われても連れていくけれど…どうしようか、僕と来てくれるかい?」
「…いいよ」
でも、いいんです。
誘拐でも、いいんです。
未練なんてないんだもの。
返事をした彼女は男の顔を真っ直ぐ見た。
そこにはやっぱり白塗りの上に細い吊り目があるだけで…彼の感情を読むことができない。
表現がよめない相手って、接しづらい。
「だからそれは…お互い様でしょうが」
「……。そうだった」
狐男に近付いたら、彼は彼女に小さな木の葉を手渡した。
「これでドロンしよう」
「……」
だからそれは、忍者でしょうが──。
───…