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ネムリヒメ.
第8章  雨.






「なにそれ……エロっ…」





彼の切れ長の目の漆黒の瞳が妖しく揺れて、息つく間もなく唇にかじりつかれる


服の上からカラダのラインを撫でられ、ゾクゾクという感覚とともに、甘い快感にカラダが震えた


もっと触れて欲しくて、ここが車の中だということすら忘れて彼を求めてしまう



アタシを見つめる彼のその瞳の熱が

歯がゆくて、もどかしくて…

瞳を涙で滲ませた






「悪いけど…」




すっかり彼の熱に絆されて、カラダが奥から熱くなった頃、耳元で渚くんが低く甘い声でアタシに囁く


「んあっ……ん」


くちゃっと耳を熱い舌で舐られ、顎を突きだし背中がしなった







「オレ……車でオンナ抱く趣味ないから…」








彼の声が頭の奥をビリビリと痺れさせる





「だから、降りろ…」



そう言って彼はアタシから離れていく



ぁ…

彼に何を言われたか理解できたときにはもう、スッと彼の体温が引いていて、名残惜しさを感じてしまうアタシは無意識に彼のシャツの袖を握りしめる



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