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ネムリヒメ.
第8章  雨.



「ん…つめ…た」


背中に触れる冷たい感触に目を擦るとベッドに横になっていることに気がつく


「おやすみ…」


上から優しい声が聞こえて、うっすら見上げると渚くんがそっと微笑んでいた


瞼に温かい唇が触れて離れていく

ひんやりした空気が瞼を掠めて、その寂しさから彼に手を伸ばしてシャツを掴んだ



「いっちゃやだ…」


ぇ…

無意識に口から飛び出す言葉


「っ…!?」


見上げるとぼんやりした視界に少し驚いて振り返る彼の顔がある

でも一番驚いているのは自分だ


「…ひとりじゃ眠れない…から」


アタシ…なに言ってるんだろ

眠気がアタシをどうにかしてるんだ…






「怖いから…」




なに言ってるんだろ…


でも瞳は真っ直ぐ彼を見つめいた




「お前…っ…」


霞んだ視界の先で渚くんの顔が不安げに歪んだ気がした



彼の声が聞こえて少しするとベッドが軋んで、冷たかったシーツが温かくなる

隣に横になった渚くんの胸に顔を寄せると、彼の鼓動が聞こえてきた

そっと髪を撫でられ再び目を閉じる

それを合図に脳内は文字通りのスリープ状態になる


「渚くん…」


「なに…?」


心地よく微睡みながら言葉を紡ぐ


「今日も…出かけちゃうの…」


「ん…」



彼の返事にギュッと身を寄せる



「それまではここにいてやるから…おやすみ」



そっとアタシを抱き寄せ、包み込むような彼の声に安堵するとフッと意識が遠退く


「うん…」


彼の匂いに包まれたまま、アタシは吸い込まれるように深い眠りに落ちていった



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