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ネムリヒメ.
第17章  極上スイーツ.





「ねぇ…」


彼の手が伸びて髪に触れる

引き寄せられる後頭部…



「オレを叱って…!?」



彼の瞳に吸い寄せられるように距離が縮まる



が、



「なにやってんだ、お前は」


それを電話を終えた渚くんの呆れた声が遮った


「一端戻るんだろ、さっさとそれ食って仕事しろ」

「えー、渚くん酷い。せっかくちーちゃんに癒されて浄化してもらってたのにぃ」


キラキラの瞳で渚くんを見上げる聖くん

しかし、


「ったく、お前を浄化なんてしたら跡形もなくなるから…」

「あはっ♪やめてよ、オレを悪魔みたいに」


ぉ……おーい…


「つーか、さっきの話。そんなキラっキラの子犬みたいな顔して自分をバカにしたヤツ、片っ端から潰してんのドコの誰だよ」


は………!?


「え、潰すって…」

「えーと、本人もしくは会社とか会社とか会社とか…」

「…………!!」


なっ…こ、恐っ!!

聖くんを見れば、子犬が小悪魔に変身していてペロッと舌を出して笑っている


なにその顔っ


「あははっ、それもオレの仕事だ、か、ら♪目には目をって言うじゃん!?」

「マジ、お前の方がドSだっての」

「ホメコトバ♪」


それからケロッとして、パンケーキを平らげた聖くんがノートパソコンを広げた


難しい話を始めるふたりを横に、満腹感と軽い倦怠感に瞼が落ちてくる

すると


「ありがと……おやすみ…」


甘い香りと瞼に触れる柔らかい感触

そして、そんな優しい声がどこからか聞こえた気がした




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